最期のお風呂当番

今朝 約5年間お世話になったK嶋さんが お亡くなりになりました。

訃報をきいたとき 心がしばらく 固まったみたいになりました。

私は 三日前に彼女の人生最後のお風呂を担当することになったのでした。

その時 すこしだけ 「もしかして」 とゆう気持ちがあったのですが

今思うと、あの時のお風呂 私の中で全力だったのだろうか 湯温がすこしぬるくなかっただろうか。。。

最後なら 湯船に入れてあげたかった、、、(もう体調の関係でシャワー浴しか許されていませんでした)

 

いろいろな気持ちが つぎつぎに湧いてきました。

 

kさんに出会った5年前、私は 介護の仕事をしばらくふりに復帰して お風呂介助をさせていただいた時

介護の仕事の感覚が ぜんぜん戻ってこなくて あたふたして しまいました。

入浴後、

「この新人さんは だめだ!ぜんぜん だめ」

と 他のスタッフに言ってらしたのを偶然きいてしまって、とても悔しくて

他の先輩介護士の方の 入浴方法を 何度も見させてもらって 紙に手順を書き、洗体や洗髪の好みのやり方を

家で何回もシミュレーションしてから 次の当番の時に とても緊張して やってみたらお風呂上がりに

「ありがとう」と 手で合掌して 気持ちよかったと言ってくれました。

 

Kさんは 半身麻痺と、両耳が聞こえない上に、目もみえなくなってきており、唯一の楽しみ、

お風呂が生きがいとゆうほど お風呂が お好きでした。

体の不自由さとは反対に 記憶力がとてもよく、 息子のことやスタッフの家庭の事情、養育費の相場、笑、などなど

とにかく 何年も前のことも覚えているし 目が不自由なのに、今日は 誰が休みで 何人しかいないね、

と 場の空気を読む力が スタッフ以上にありました。とても優しい方でした。

 

もう会えないと思うと とても寂しいです。

忘れたくない人の 一人です。 最期の一週間 味噌汁を数口飲むのも辛そうでした。

今頃 痛いところもなく 苦しいこともなく 無理やりラコール(お嫌いだった栄養剤)を飲まされることもなく

楽になって天国に向かっていっているのかなぁ。おつかれさまでした。

生きるのは辛いです。みんな もう辛い 死にたいって言います。 でも その方は 一回もそんなこと

言わなかったです。すごく辛かったはずなのに。お疲れさまでした。ありがとう。

おやすみなさい。